建物を相続した場合の評価額の算出方法
こんにちは、福岡の相続サポートを行うつなぐ相続センターです。
前回、相続税の全般的な内容について説明をいたしました。今回は、さらに話を進めて、具体的な不動産の評価方法について簡単に説明を行いたいと思います。
建物・家屋の評価方法とは
不動産は、大きく分けて、土地、建物の二分できます。
そして、不動産を相続する場合、土地、建物に分類して評価します。なぜなら、それぞれ評価方法が異なるからです。
どちらかというと、建物の評価額の計算は簡単と言えます。ただし、貸付している貸家アパートを相続するといったケースではややこしくなります。(参考:国税庁「No.4602 土地家屋の評価」)
① 建物は固定資産税評価額をチェック
建物の相続税評価額は、被相続人の方が亡くなった年分の固定資産税評価額を用いて評価の計算をいたします。
マイホームなどの建物は、固定資産税評価額の金額がそのまま相続税評価額となります。
固定資産税評価額は、毎年、各市町村から通知される固定資産税通知書の書類に記載されていますので、手元に書類がある人はそちらでご確認ください。(福岡市の場合の必要書類例)
建物の所在する市区町村で固定資産税評価証明書の申請を行えば、市区町村内にある被相続人の方の名義の不動産の固定資産税評価額を確認できます。
② 貸付アパートの場合借家権割合を控除
貸付アパートなど、貸屋とされている建物は、固定資産税評価額から借家権割合を差し引きます。借家権割合は、一律30%で計算されます。
例えば、固定資産税評価額が1,000万円の建物を貸し付けていた場合、借家権割合30%を控除した700万円が相続税評価額となります。
③ 空室部分は借家権割合を控除不可
貸付アパートの場合についてんぼ注意点です。
相続開始時点で貸付用建物の一部に空室がある場合、空室部分は貸家評価できない点に注意が必要です。
空室が一時的なものであり、入居者募集など不動産事業を継続している場合は貸付用の建物とみなし、借家権割合を控除できます。
ただ入居者募集をしていても、空室が一定期間継続している場合は、入居している部屋の部分しか借家権割合を控除できませんので注意してください。
【貸付アパートの一部に空室がある場合の計算例】
・建物の固定資産税評価額 8,000万円
・部屋数10室(部屋の大きさはすべて同じ)
・貸付状況 10室中7室貸付
〇相続税評価額
8,000万円 - (8,000万円×0.3×7÷10) = 6,320万円
まとめ
以上、相続税の計算で注意したい不動産(建物・家屋)の評価について簡単に記載いたしました。
今回、建物・家屋にスポットを当ててみましたがいかがでしたか。次回は、さらに難しい「土地を相続した場合の土地評価額の計算」にフォーカスを当ててみたいと思います。