令和2年分の相続税の申告状況とは

令和元年分(2019年)相続税の申告状況

 

国税庁によると、令和元年((2019年1月1日~12月31日)中の被相続人は、残念ですが、過去最高であった2018年(136万2,470人)を1.4%上回る138万1,093人となったと発表されました。

このうち相続税の課税対象被相続人数は、同0.9%の減の11万5,267人で、課税割合は8.3%(2018年分は8.5%)となったようです。

国税庁発表資料

(出典:国税庁「令和元年分相続税の申告事績の概要」より抜粋)

 

相続税がかかるのは100人に8人の割合

課税割合8.3%は、前年より0.2ポイント減少しましたが、5年連続8%台の割合となり、2015年の相続税の基礎控除引下げ以降、相続税がかかるのは100人に8人という状況が相変わらず続いております。

また、相続財産価額から被相続人の債務や葬儀費用などを差し引き、相続開始前3年以内の生前贈与等を加算した相続税の課税価格は、15兆7,843億円で前年比2.8%減少し、税額は1兆9,754億円で同6.3%減少しました。

被相続人1人あたりでみてみますと、課税価格が前年比1.9%減の1億3,694万円(相続税額のない申告書に係る価格は5,116万円)となり、税額も1,714万円で同5.4%と減少しました。

 

相続財産の構成は土地が最多

相続財産額の構成比は、下記の通りとなっています。

「土地」:34.4%

「現金・預貯金等」33.7%

「有価証券」15.2%

「その他(退職金や生命保険などを含む)」:11.5%

「家屋」:5.2%

 

2018年と比べて「土地」は0.7ポイント減となり、「現金・預貯金等」は1.4ポイント増加し、過去10年では最高の構成比となりました。相続税申告においては、現預金は注意したい分野の一つです。実は、「現金・預貯金等」の構成比は、9年前の2010年分の23.3%(2兆6,670億円)から2019年分は33.7%(5兆6,434億円)と、10.4ポイントも上昇しました。

また、「有価証券」も2010年分の10.5%(1兆3,889億円)から2019年分は15.2%(2兆5460億円)と4.7ポイント上昇しました。「土地」は、2010年分の48.3%(5兆5,332億円)から2019年分は34.4%(5兆7,610億円)と13.9ポイント下落となりました。

 

福岡、長崎、佐賀などの福岡国税局管内の相続税の状況については、こちらをご覧ください。